今注目されている?低炭素住宅ってどんな家なの?
近年では、低炭素住宅をはじめとするさまざまな性能を備えた住宅が話題となっています。税金優遇や補助金制度によって建設促進措置が取られているため、建築の際に低炭素化を検討する人も多いでしょう。今回は、低炭素住宅の詳細や認定を受ける具体的なメリットに加え、長期優良住宅との違いについても解説します。ぜひご参考ください。
低炭素住宅って何?そのメリットとは
低炭素住宅とは、CO2の排出を抑える仕組みを採用した住宅を指します。低酸素住宅について定める制度は「低炭素建築物認定制度」と呼ばれ、「都市の低炭素化の促進に関する法律」を根拠としています。
低炭素住宅に関する税制優遇などを受けるには、管轄の行政庁にて認定低炭素住宅として認められることが必要です。以下では、認定低炭素住宅の具体的なメリットを5つご紹介します。
複数の税金優遇制度が受けられる
低炭素住宅では、さまざまな税金の優遇が受けられます。低炭素住宅の購入にあたって金融機関から融資を受ける場合、住宅ローン減税の適用が可能です。一般住宅を購入する場合は控除対象となる借入限度額が4,000万円であるのに対し、低炭素住宅の場合は5,000万円までが優遇の対象となります。
控除率はともに1%であるため、低炭素住宅の最大控除額は、一般住宅の最大控除額と比較すると100万円多いです。また、住宅ローンの期間が10年未満である場合や、そもそも住宅ローンを利用せずにマイホームを購入する場合には、住宅ローン減税を受けられません。
その場合は投資型減税と呼ばれる優遇措置を受けられ、低炭素住宅の条件を満たすために必要となった費用の10%を所得税から控除できます。また、マイホーム購入時に必要となる登記手続きの際には登録免許税の支払いが必要です。低炭素住宅の購入にかかる登録免許税は、一般住宅よりもが安くなります。
フラット35Sを利用可能
フラット35Sとは、低炭素住宅をはじめとする省エネルギー住宅を購入する際に利用できる住宅ローンであり、金利負担を一定期間軽減できる制度です。低炭素住宅の購入では、フラット35Sの中でも金利Aというプランが適用され、10年間金利が引き下げられます。
容積率が緩和される
住宅を建てる際の延べ床面積は、「敷地面積全体に対して何割」という形で限度が定められており、これを「容積率」と呼びます。低炭素住宅では、コージェネレーション設備や蓄電池の設置などでスペースが必要となるため、建築物の床面積以外の部分は容積率の計算の対象外です。
光熱費の節約につながる
低炭素住宅と認められるための基準の1つとして、省エネ基準の外皮熱性能と同等か、それ以上の機能性が求められます。そのため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる快適な室内環境が整うことから、冷暖房などの光熱費削減が可能です。
補助金を利用できる場合もある
住宅に関する補助金の1つに「地域型住宅グリーン化事業」に関する補助金があります。低炭素住宅をはじめとする省エネ性・耐久性の高い住宅を建設・改築する際に利用可能であり、低炭素住宅の場合は1戸あたり110万円が補助の上限です。
注意点として、地域型住宅グリーン化事業の補助金は、国に認定された業者で建築した住宅でなければ利用できません。補助金利用を考えている場合は、どの建築会社が対象となるか調べて依頼しましょう。
低炭素住宅の認定基準とは
低炭素住宅に認定されるための基準は、省エネ性能と低炭素化性能の両方を備えていること、それぞれの都市の低炭素化促進についての方針に沿っていること、適切な資金計画であること、の3つです。
性能基準については、認定を受けるために必ず満たさなければならない定量的評価項目と、複数基準の中から2つ以上を満たす必要がある選択的項目があります。定量的評価項目には、外皮熱性能の高さや一次エネルギーの消費量削減が定められています。また、選択項目は、エネルギーマネジメントや節水、ヒートアイランド対策などです。
長期優良住宅の違いは?
認定低炭素住宅と同様に税金優遇などを受けられる住宅は数多いですが、中でも代表的なものは「長期優良住宅」です。長期優良住宅とは、長く安心して暮らし続けるため、さまざまな観点において全体的に優れた性能を有する住宅を指します。
低炭素住宅には省エネ性と低炭素化が求められますが、長期優良住宅では、省エネ性のほかにも劣化対策やメンテナンス性、耐震性など数多くの基準が定められているのが特徴です。
まとめ
今回は、低炭素住宅の詳細や認定を受けるメリット、認定基準に加え、長期優良住宅との違いについて詳しく解説しました。低炭素住宅とはCO2の排出量を減らすための対策が取られた住宅であり、税金優遇や住宅ローンの金利優遇、光熱費の節約効果などのさまざまなメリットが享受できます。ただし、補助金を利用する場合は依頼先の建築業者選びに制限があるため、事前に下調べして依頼先を決定しましょう。低炭素住宅は長期優良住宅と比較するとクリアすべき基準項目が少ないため、認定を目指しやすいです。これからマイホームを購入する人は、今回の記事を参考にしてみてください。